法話

京都洛北の名刹 天台証門宗岩倉観音 大雲寺副住職酒井善敬師のご法話

           
 

 

2005年8月

 今月はお盆月(関東では7月にする風習がある)。毎年この時期になると近隣国やマスコミが靖国問題をこぞって取り上げるが、その都度私は何とも表現しがたい沈鬱な気持ちになる。外交問題や、政治問題は別として真摯に「先亡の心」を慰める事は出来ないのだろうか?
 NHK大河ドラマ「義経」でもお馴染みの藤原清衡が中尊寺を建立したときの願文には

官軍夷虜(いりょ)の死事、古来幾多なり。毛羽鱗介(もううりんかい)
の屠(と)を受くるもの、過現無量なり。精魂は皆他方の界に去り、朽骨
(きゅうこつ)は猶此土(なおしど)の塵(ちり)と為(な)る。鐘声の地
を動かす毎に、冤霊(えんれい)をして浄刹(じょうさつ)に導かしめん」

【意訳】官軍と蝦夷の戦いによって戦死した人は古来から数知れ無くいる。
    また鳥獣魚の犠牲も計り知れない。これらの魂は遠く去りさまよい、
    骨は朽ちて地面の塵となった。(弔い)の鐘の音が大地を動かすた
    びに、どうぞこの罪のない無数の魂が安らぎ浄土に導かれますように。

 とあり、敵味方の恩讐を超えるばかりか、鳥獣魚介にも成仏を求める広大な祈りを捧げ、高い次元の精神で
「心のなかに平和のとりでを築け!」と切に祈っている。

 ユネスコ憲章前文に
 “since wars begin in the minds of men, it is in the minds of men
        that the defences of peace must be constructed. ”

【意訳】「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
       人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」

とあるが、願文に込められた清衡の平和思想は、800年後のユネスコ精神に先んじていた。世界を見渡せば、至る所に戦争や紛争があり、テロ行為による殺戮が繰り返されているが「人と人が争えば喧嘩」・「国と国が争えば戦争」そのいずれもが正しいと思いこんでいて、四者共、自分が悪いんだと思っていない愚かさを知ってほしい。

    祈!世界平和


                 合 掌

2005年7月

2005年8月

2005年9月

2005年10月

大雲寺の御紹介

洛北屈指の名刹 天台証門宗 岩倉観音 大雲寺

 京都洛北の古刹・天禄2年(971年)創建・円融天皇勅願寺、山号「紫雲山」「石座山」を有し、最盛期には一山三塔、七堂伽藍四九院・僧兵千人をかかえていました。源氏物語「若紫」の舞台となり、紫式部の曾祖父(真覚上人)が初代住職をつとめ ました。
 昭和60年6月、人災によって旧本堂(寛永年間=約350年前に建立された)は消滅 してしまいました。しかし、千有余年続く観音信仰が途絶えた訳ではなく、旧境内地に 結ばれた堂宇では、脈々と法灯が、護持されています。
                「どっこい!生きてます! 大雲寺」

詳細は下のバナーより大雲寺のホームページでご覧下さい。

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