仏教豆知識

顕教(けんぎょう)と密教

 空海は、唐から帰ると声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)の教え(二乗・小乗的修行や悟り)と南都の諸大寺にて説かれていた、三論(さんろん)・法相(ほっそう)・華厳(けごん)など、すべてを包み隠さず明らかにされた教えを密教に対して顕教と呼びました。自らのもたらした密教の優位性を主張して分類した教相判釈の一つです。教相判釈とは、釈迦の成道から涅槃までの経典の順序を整理して仏教真理を解釈する方法です。密教というのは秘密仏教の略称とされ、 簡単には理解することの出来ない大日如来の説いたものとされる秘密の教えです。小乗や大乗仏教にたいして密教用語では「金剛乗」ともいいます。

 日本では、空海が開いた真言宗が唯一の純粋密教系です。天台宗の最澄も、空海と時を同じくして唐に渡って密教を学び、帰国後は空海にも密教を学びますが、法華経を中心としつつ、自らが持ち帰った禅、戒律をも天台教学に取り入れ(四宗兼学)独自の教学確立を目指し、円密(法華と密教)一致を主張しています。

 法華経は釈迦の最後の教えと言われています。釈迦は実在し、人々を現実に救うために説かれたわけですから相手により教えも変わり矛盾も出てきます。そういう釈迦を大日如来が衆生救済のために現世にあらわれたお姿だと考え、その教えが顕教であるというのです。宇宙の真理そのものである大日如来の究極の教えは顕教ではなく密教にあるといいます。

 密教の経典は釈迦ではなく大日如来の説いたものとされます。空海は、経典を顕教の経典と密教の経典に分類しました。
顕教の経典 - 華厳経・法華経・般若経・涅槃経など。
密教の経典 -(真言三部経・大日三部経)大日経・金剛頂経・蘇悉地経(そしつじきょう)、理趣経など。蘇悉地経は蘇悉地羯羅経(そしつじからきょう)ともいいます。天台宗の主要経典のひとつでもあります。五鈷杵、三鈷杵、独鈷杵や羯磨などの金剛杵の使用法や秘密の祈祷儀礼の解説が記されています。

 大日経には印と真言が説かれているから、密教は事相のうえで顕教よりもすぐれているのだといいます。事相というのは実践する方法で、理論だけでは役にたたないという訳です。
 密教には、ヒンドゥー教などの呪術的な要素が取り入れられており、真言や陀羅尼(だらに)を唱え護摩法を行うことによって様々な願いを成就させます。三密(身・口・意)加持(心で仏を想い、口に真言を唱え、手で印を結ぶ)を行じることで、仏と法界より加護の力(加持力)を頂戴し、煩悩から解脱してあらゆる苦しみから解放され「即身成仏」出来るといいます。

密教の秘密の教えには二つあります。
「衆生秘密」。人間は仏陀(覚者)になることが出来るのに気づかない。
「如来秘密」。大日如来の教えは仏の世界の言葉であり、普通の人間では理解できない。
これらは秘密の教えですから、師資相承(ししそうしょう)によって伝持(でんじ)されます。書物やインターネットで独学で学ぶべきものではないということになっています。

(B.E2552/03/07/ 悟無)

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